仏像の種類 菩薩

仏像の種類
仏像は、如来、菩薩、明王、天部の四つのグループ(部)に分けられる。このほか、羅漢や祖師像を含めた尊像を広く仏ということもある。


菩薩

菩薩(ぼさつ)とは、成仏を求め(如来になろうとして)修行を積む人の意味である。
一般的な姿は上半身に条帛(じょうはく)を纏って、下半身に裳を着け、天衣(てんね)を両肩から垂れ下げている。髻を結い上げて宝冠を頂き、また瓔珞(ようらく)、耳璫(じとう)、腕釧(わんせん)、臂釧(ひせん)、足釧(そくせん)などの装飾品をしている。地蔵菩薩だけは頭を丸めて宝冠もつけず、僧の姿で表される。
如来のような印は結ばず、それぞれ持物(じもつ)を持っている。弥勒菩薩を除き、多くが立像として表される。

観音菩薩

観音菩薩は、宝冠に化仏(けぶつ)を付けているのが特徴である。手に水瓶(すいびょう)又は蓮華を持っていることが多い。
そのうち、通常の一面二臂(「臂」(ひ)は手の意)の観音像を聖観音という。
これに対し、密教の影響の下に作られたのが、多面多臂の(顔や手の数が多い)変化観音である。
十一面観音は、頭上に東西南北を向いた10の面を有し、本面と合わせて11面となる。全ての方角を見て、あらゆる人を救済してくれることを意味する。


千手観音は、千本の手を有し、それぞれの手に1眼があり、千の手と千の眼で人々を救済してくれることを意味する。像としては、四十二手で千手を表すことが多く、それぞれの手に持物を有する。十一面を有することが多い。

馬頭観音は、忿怒の表情をし、頭頂に馬の頭を有する。

不空羂索観音は、手に羂索(けんじゃく、人の悩みをとらえて救済するための縄)を持ち、三眼である(額に、縦に第3の目を持つ)。

如意輪観音は、「如意宝珠」と「法輪」を持つ。左脚を折り曲げ、右脚を片膝にして両足裏を付けた輪王座という独特の座り方をしており、右肘をついて頬に手を当てている。六臂のものが多い。

准胝観音は、インドで仏母とされていたものが密教と共に日本に来て観音となったものであり、三目十八臂のものが多い[5]。
聖観音と以上の6体の変化観音を併せて七観音という。

地蔵菩薩は、大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩の人々をその無限の大慈悲の心で包み込み、救う所から名付けられたとされる。一般的には「子供の守り神」として信じられており、よく子供が喜ぶお菓子が供えられている。
一般的に、親しみを込めて「お地蔵さん」、「お地蔵様」と呼ばれる。

普賢菩薩は、文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍となるが、独尊でも信仰される。仏の行を象徴する菩薩である。法華経を信じる者のところには6つの牙を持つ白象に乗った普賢菩薩が現れると信じられており、法華経が女性も往生できることを明言していることから、平安時代、貴族の女性の間で信仰を集めた。
独尊の場合は、白象の上に乗っていることが多い。

文殊菩薩 文殊は、釈迦の賢弟であり、実在の人物であるとされる。普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍となるが、独尊でも信仰される。仏の智恵を象徴し、学業祈願の信仰を受けた。
青い獅子の上に乗っていることが多く、右手に経巻(きょうかん)、左手に剣を持っていることが多い。

弥勒菩薩は、既に修行を終えたものの、現在は兜率天にとどまっており、釈迦の入滅から56億7千万年後の未来に如来(弥勒如来)となって現れ、全ての人々を救済するとされている。

出典;wikipedia