仏像の種類 明王・天部

仏像の種類
仏像は、如来、菩薩、明王、天部の四つのグループ(部)に分けられる。このほか、羅漢や祖師像を含めた尊像を広く仏像ということもある。

明王

明王(みょうおう)は、密教信仰特有の仏像である。
未だ教えに従わない救い難い衆生を力づくでも帰依させるために、明王が大日如来の命を受けたとも、如来が自ら明王に変化したとも伝えられている。
恐ろしい外貌と激しい憤怒の相が特徴だが、孔雀明王は唯一、慈悲を表した菩薩の顔をしている。
不動明王
不動明王は、インドや中国ではほとんど信仰の対象となっていなかったが、日本では密教を持ち帰った空海が胎蔵界曼荼羅の象徴として重視したことから、民衆の間に信仰が広まった。左に索髪(さくはつ)を垂らし、右手に剣、左手に羂索を持つ。常に火の中にいることから、光背に迦楼羅炎がある。
向かって右に矜羯羅童子(こんがらどうじ)、左に制多迦童子(せいたかどうじ)を従えた三尊(不動三尊)の形式で祀られることが多い[7]。
真言宗(東密)では、不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王の五つを五大明王という。東寺、大覚寺、醍醐寺、不退寺など多くの寺で、五大明王がそろって祀られている。

天部


天部は、古代インドの宗教の神々が仏教に取り入れられ、仏法を守護する護法善神となった者の総称である。官服を着た貴人姿、鎧を纏った武将姿、鬼の姿など多様な姿をしている。
四天王
四天王は、須弥山の四方で仏法を守る守護神である。古代インドでは各方角を守る神とされていたのが仏教に取り込まれたものである。もとは貴人であったが、中国で武将の姿になって日本に伝わった。肩や胸に甲冑を着け、邪鬼を踏みつける。
持国天は東の守護神で、領土を守り、人々を安心させる。刀剣又は鉾を持つことが多い。
増長天は南の守護神で、五穀豊穣を司る。右手に刀剣又は三鈷杵を振り上げるものが多い。広目天は西の守護神で、浄天眼(千里眼)という特別な眼で世の中を観察し、衆生を導き守る。右手に筆、左手に巻子(かんす)を持つものが多い。
多聞天は北の守護神で、財宝富貴を司る。片方の手に宝塔を持つことが多い。多聞天だけは独尊として祀られることもあり、その場合は毘沙門天と呼ばれる。
東大寺戒壇院の四天王像は、天平時代の秀作として知られている

出典;wikipedia